ノミネート2009

No.6  菅原由美

”いま、あなたの求める看護師が、ここに!”

現在の職業:
全国訪問ボランティアナースの会キャンナス代表,開業看護師を育てる会 理事長 看護師 ケアマネジャー

推薦文:
 菅原由美さん、この人ほど日本中を駆けまわって、何とかしなくては・・・、何とかしなくては・・・、という活動を繰り広げている人はいないでしょう!

在宅看護・介護に関わっている人たちに、少しお手伝いすることで、休息のときを過ごしていただきたい!という思いから10余年前に、"キャンナス=看護師だから出来る"というネーミングで"ボランティアナースの会"を立ち上げ、フルタイムの勤務は出来ないけど、短時間のかかわりだったらできる!という看護師を掘り起こし、求める人と求められる人をつなぐ役割をしてくれています。

 休みなく続く介護に、ほんの少し看護の力(アドバイス)を注ぐ事で、肩の力が抜けた人、ほんの少しでも自分の時間が持てる喜びを感じた人等。時間制限のない活動を展開し、欲しいときに、欲しい人へ、手が差し延べられる役割を「看護師」ができれば・・・。こんな、夢のような看護の現場を創設してくれたのが菅原さんです。

介護保険や健康保険を利用してうけるサービスには、もどかしい" 制限 "があります。この制限の枠を超えたところで活動の場を繰り広げているのが "キャンナス"です。

 菅原さんは、看護師の資格取得後 病院勤務は1年。ご結婚後、子育てとご主人の会社のお手伝いの生活の中、お身内の方が末期がんの診断を受け、病状は医療の手の届かない所に進行し、"家に帰りたい!"という病人の帰宅条件として≪一日一回、点滴バッグを交換する看護師が居ること!≫ "これなら 私にもできる!"臨床から離れていた菅原さんでしたが、未だ自分にできることがある!それを望んでいる人が、今ここにいる!いたたまれない思いが、動きに変えた日。

 やがて、ご自宅に帰られて満足げに家の中を動き回り、家族と一緒の生活を楽しみ、つかの間だったとはいえ、最期のときを迎えるまで"その人らしい・・・、その人らしく"生活できた満足感にみちた看取りになったそうです。

その後、ご自身の体験をもとに、"日本中には、家で最期を・・・、畳の上で最期を・・・、という人たちが大勢いるのにどうする事もできないまま、病院のベッドで最期を迎えている現状をなんとかしていきたい!という思いから ≪最期の望み≫をみんなで、と、看取りの援助に関わるようになりました。

 キャンナスの理念に同調した仲間は、年々増え続け菅原さん在住の藤沢に本部を置き北海道から沖縄まで、28箇所で支部が立ち上げられています。お互いの情報交換を密にして、活動の糧にしていこうとメーリングリストがつくられ、その登録人数は150余名。ここには看護師だけでなく、医師・ケアマージャー・在宅介護中の家族が、また勤務先としては個人から公立私立の大学病院・民間病院・介護関連施設に勤務する人、リタイアされた有資格者などが、日々インターネットでの交信を活用しています。

 いま菅原さんは"日本中に星ふるほどの訪問看護ステーションを!"ということで、看護師がひとりで訪問看護ステーションを立ち上げ、ご利用者さんのご希望にきめこまやかにかかわれる"街の看護師さん""私の看護師さん"の制度を創りたいとあふれる意欲にもえています。

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