ノミネート2009

No.7  高橋雪子

”看護のチャレンジャー”

現在の職業:
東京大学医学部附属病院 病床管理マネージャー 看護師

推薦文:
高橋雪子さんは東大病院一筋に40年間勤め上げ、2006年に定年を迎えられました。その間の仕事ぶりが請われて定年後も同病院に再雇用され、患者様の入退院をすべてコーディネートする病床管理マネージャーという大役を果たされています。その彼女も今年の3月でいよいよ退職されます。

東大病院という大規模な組織の中にいても常にニュートラルな視点でものごとを提案され、いつも穏やかで美しく品格ある姿勢は後輩看護師のモデルでした。そして、看護という立場から「治療だけではなく、地域で生活する患者様」ということに視点をおいて様々な改革を実践してこられた正にチャレンジャーでした。

彼女のように誠実に着実に仕事に向き合い、看護師の使命を全うされた方のことを多くの人に知ってもらいたい、感謝したいという気持ちで推薦しました。以下に高橋さんの40年以上の看護師生活の中での成果・エピソードをご紹介します。

@ 精神神経科におけるディホスピタルの立ち上げ
A 精神科における認知症の看護モデルの模索
B 全国初の退院支援業務(地域医療連携部)とのカンファレンスを定着させ、在院日数の7日間短縮に成功
C 病気は様々ですが、化学療法を受ける患者様を一元的にケアできるよう化学療法外来を設置、患者様の悩みをスタッフ間で共有できるようにした。そこから、化学療法を受けている女性の患者様に、ケアメイクサービスを模索する看護研究に取り組む(株式会社資生堂の協力)。
D 糖尿病療養支援及び腹膜透析に専任の看護師を配置し、看護相談に取り組む

など、沢山の功績の中でも彼女の人柄をよくあらわすディホスピタルでのエピソードをご紹介します。

彼女は1974年、精神神経科において、医師と一緒に通院の治療部門あるディホスピタルを立ち上げ、全国初のモデルとして、治療活動と社会復帰の両方を支援するという取り組みを20年以上にわたって行ってこられました。治療によって社会復帰が可能になった患者様とともに東京中の職安を回って仕事を探し、一緒に働きに行ったこともありました。その中から患者家族会ができ、ディホスピタルの職員とともに現在も精神障害をもった患者様を支え続けています。このディホスピタルは今年35周年を迎え、2008年度日本精神障害者リハビリテーション学会の第1回ベストプラクティス賞に輝きました。彼女はここに関わるすべての看護師・医師・コメディカルの人材育成の要になられました。

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