ノミネート2009

No.14  若林梨絵

”患者さん・ご家族のおもいに寄り添う看護を”

現在の職業:
音羽記念病院緩和ケア病棟 看護師

推薦文:
若林看護師は4年目の看護師です。昨年の4月に京都で第3番目の緩和ケア病棟として開設した病棟に希望して来ました。それは彼女が看護師になろうとおもったきっかけが祖父の死であり、集中治療室で家族は延命治療を希望したが祖父は意識が最後の瞬間まであり、本当に延命が祖父の希望であったのか、祖父の生き方にそうことができたのだろうかとの後悔の気持ちと、その人らしい生き方、その人らしい時間を過ごしてほしいとの想いからでした。

彼女の日頃の看護を紹介します。(看護記録より抜粋)

夜中の3時に痛みで目が覚めたA患者さん「もういや。(付き添っていた夫に向かって)触らんといて、あっちに行って、もういやや。もうこんなんしてもよくならない、頭がおかしくなる。お薬ばかりイヤ。お薬はいらないの。自分でも解らない。」とパニック状態になり、夫も困惑している状況に彼女が訪室。ベットに寝た状態で夜中誰も居ないリビングに誘い、リビングで夜風に当たりながら寄り添っていると、A患者さん「自分の感情がコントロールできなくて辛い。人にいっぱい迷惑かけちゃう。狭いとこにいると息が詰まりそう。ここは広いね。ちょっとお腹すいてきた。」と少し落ち着きを取り戻し、そのままリビングで眠ってしまい、朝方「えー、私眠れてたんだ。嬉しい、嬉しいよ。朝が来たね。ありがとう。(夫の名前を呼び)ありがとう。長い夜だった。」

上記のことを彼女はこのようにアセスメントしています。

「自分の感情をコントロールできないことにイライラあり。下肢がおもうように動かなくなっており(骨転移による下肢マヒ)精神的苦痛大きい。苦痛を受け止め、気分転換できる方法を考えていく。」いつも患者さんへの思いがきめ細かく、真剣に取り組んでいるので「そんなに患者さん、家族のことをいつも想っていてバーンアウトにならないの?」と気になり聞くと、「大丈夫、帰ってからチャリで、哲学の道に行ったり、鴨川をランニングしたりしている。」と嬉しそうに返ってきます。長期のリフ休暇には、ラオスやタイ旅行を自分で企画し、その土地の人に触れ、食事をご馳走してもらい、突然のもてなしに日本の歌や羽茶めちゃなダンス?を踊ってくるなど楽しく人生しているって感じです。

ON・OFFの切り替えが上手にでき、OFFの時間でエネルーギーを蓄積し、仕事に向かっている姿は素敵です。

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