第2回ノミネート 2010
No.10 森松靜
”切り拓く人”
現在の職業:
特定医療法人平成会 井上病院 看護部長
推薦文:
森松さんは高校を卒業後、仕事をしながら准看護師になり、その後正看護師の道へ進まれました。そして現在、札幌の井上病院の看護部長として仕事をするかたわら、北海学園大学夜間の部で経営学の勉強を月曜日から土曜日までしています。
井上病院はススキノの中心にあり、82床のうち75名の方が人工呼吸を装着しています。救命センターやICUなどから人工呼吸器離脱困難の患者さんをお受けし、離脱の試みを主に行う病院であり、その成功率は30%を超えています。救命医療と一般病院のニッチ的医療を行う、全国でたった一つしか存在しない専門病院です。
とてもヘビーな病院ですが、スタッフはもちろん、お見舞いに来るご家族の方々もとても明るく、私にとっては驚くことばかりの病院でした。5人部屋でとても狭く、部屋の中は機材だらけ。でも、不思議とアラームがなりません。森松さんの説明では患者さん個々の呼吸状態に合わせてアラームを設定し管理しているためであり、アラームがなる時は一大事な時だけとのことです。
業務の標準化、二重業務の削減、記録や計画の単純化を進め、ナースがベッドサイドにいる時間を増やすことで、全人工呼吸装着患者さんの入浴や散歩などを実現し、日常生活の向上を図っています。また、看護スタッフのケアに対する向上心もとても高く保たれています。スタッフの知識技術向上の研修プログラムや専門的トレーニング、目標管理、人事考課などのシステムは彼女を中心にあみ出されています。元々の井上病院はこのような病院ではなく、現在の院長、副院長が病院を開設したところに彼女が来て、ともに6年でここまで作り上げたものです。私の知る限り、ここまで労務管理や看護経営にたけているナースは彼女以外にいません。
医師が会員の主体である日本呼吸療法医学会では、評議員として活動しています。また看護師の立場から、数多くの人工呼吸療法に関わる研究を行い発信しています。そしてスタッフナースも多数の研究に取り組み発表しています。ナースの研究者は現場をやっていない人ばかりと指摘される中、彼女は現場にいながらにして、研究も、そして大学へも通うというスーパーナースです。
私が心の底から尊敬しているナースです。どうか皆様彼女の心意気を評価して、投票してください。よろしくお願いいたします。