第3回ノミネート 2012

No.4  鳴海幸

”すばらしい看護を実践、広げて、支援活動”

現在の職業:
キャンナス仙台中央 訪問看護ステーションもりのとびら

推薦文:
東日本大震災のとき、鳴海幸さんは一市民でした。しかし、自主的に、地域のために奮闘したのです。勤務していた障がい者支援施設の利用者の安否確認はもちろん、近所の避難所に声をかけ、その後、ボランティア団体と協力して避難所のアセスメントを行い、福祉避難所での泊まり込みと、自主・自立的に支援を展開しました。

特筆したいのは、4月2日以降の石巻市における活動です。沿岸の湊中学校を見た鳴海さんは、その場で長期活動を決意。周囲一帯は津波の被害でがれきに囲まれ、ヘドロと汚物の臭いが立ち込める避難所で、約半年にわたり支援したのです。

鳴海さんが、ボランティア団体「キャンナス」のコーディネーターとして活躍したことで、渡波小学校、中央公民館、図書館などの避難所、そして在宅避難者と支援範囲は広がりました。臨機応変に対応、まさに生活全体を支えなければいけない事態に、医療ニーズを見抜き、必要に応じた24時間体制の支援から、安心して過ごせる環境の構築に努めました。

全国・海外から駆け付けた看護師が、指示待ちではなく、「自主的に問題を見つけ、解決」できるように、力を育てたと感じます。「鳴海さんに会いたい」「鳴海さんをサポートしたい」とリピートして参加、また「キャンナスのように活動したい」と新たに参加する看護師が続出したこと、なにより市民から「キャンナスさん」と親しみをもって呼んでいただき、町のなかで小さな相談もいただきました。鳴海さんは未来を創る看護師のモデルになると考えます。結果的に延べ一万人以上を派遣し、最大規模の医療支援活動の土台を築きました。

震災直前、2010年12月に、鳴海さんがボランティア活動として「キャンナス仙台中央」をスタートしたのは、偶然ではありますが、宮城県、東北の医療を支える上で、実は大きな出来事だったと考えます。発会式で「年齢や、病気、障害に関係なく地域で自分らしくそこにありつづけたい人や、在宅介護をされている家族に寄り添い、ほんの一時でもお手伝いできたら。支えているほうも実は支えられているんだという実感があります」という言葉はとても印象的でした。

石巻での支援活動を終え、仙台に戻った彼女は、現在、訪問看護ステーションに勤務しながら、並行して、日常的なボランティア活動をしています。

看護師としての能力を真摯に発揮する鳴海さんを心から応援しています。自主性をもち、地道に活動する看護師さんが評価され、活躍しやすくなりますように。ぜひ投票をお願いいたします。

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